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電気使用安全ガイド
においで気が付いた高圧機器の不良

秋晴れの朝、ある事務所ビルに月次点検にお伺いした時のことです。
いつものようにお客さま連絡責任者の方に挨拶をし、「先日の台風で被害等はありませんでしたか」などお聞きした後、受電設備点検のため屋上に設置されているキュービクルの扉を開けたときです。「あっ、いつもと違うぞっ」、という感覚を体に感じるのがわかりました。
変な臭いが鼻をついたのです。これはどこかで放電現象が起こっているのではないか、頭の中に緊張が走るのを落ち着かせながら一呼吸おいてキュービクル内を観察したところ、LBS(高圧交流負荷開閉器)周辺からジージーという音がかすかに発っしているのがわかりました。
これは大変なことだと思い、異常箇所をはっきりさせるために協会事務所に連絡を入れてウルトラホン(放電している箇所を探査する測定器)を届けてもらい探査したところ、LBSの電源側端子部で放電していることが判明しました。それも要注意レベルを大きく超えるまで針が指すほどの強いものでした。
至急停電して点検を行う必要があると判断した私は連絡責任者の方にその旨の説明と了解を頂くとともに、場合によってはLBSを取替える必要があると考え緊急事故対応用のLBSの手配と作業者の応援依頼をしておき、昼休み前でまだ営業時間中ではありましたが停電しての原因調査を実施させていただくことになりました。
あせる気持ちを抑えて停電操作を終え、まずLBS電源側を点検すると絶縁サポートに沿面放電の痕跡があり、絶縁抵抗測定(当協会は10kVで良否判断を行う絶縁抵抗計を使用しています)を実施しましたが、LBSの絶縁がかなり悪く0メグオームに近い数値であったため事故対応品のLBSに取替えて無事送電を終えることが出来ました。
経年により絶縁低下していたところ、台風の影響もあり急激に絶縁が劣化したものと思われます。
発見が遅ければ波及事故に発展しかねない状況なだけにお客さまの協力のもと迅速な処置ができたこと、そしてお客さまから感謝をいただいたことに嬉しい思いをいたしました。私たちは月次点検において普段の使用状態での電気設備の点検を実施しております。これからも小さな変化も見逃すことなくお客さま設備の電気保安に取り組んでいきたいと思っております。