ショベルカーによる掘削工事により停電電気の事故例

電気事故の状況

掘削工事中に高圧ケーブルを損傷、停電に

ある日の夕方、増設工事中のお客さまから、掘削工事中に高圧ケーブルを損傷し、停電したのですぐ来てもらいたいとの連絡が入りました。
至急出動し、現場の状況を確認すると、地中深さ約80cmの位置に埋設された高圧ケーブル保護管のエフレックスパイプが引きちぎられ、高圧ケーブルが1mほど引きずり出されて外装にキズが入っている状態。高圧地絡継電器が動作し、構内柱上の高圧気中開閉器が開放していました。

時間に追われて手堀り作業を怠り、機械で掘削

ショベルカーの運転者は、排水用配管の手直し工事を行うため、事前の打ち合わせ時に、高圧ケーブルが埋設されていることを知らされていました。この場所は手掘り作業を行うように指示されていたものの、作業の予定が遅れていたため機械で掘削。高圧ケーブルの埋設表示のシートも埋設されていたが、もう少し大丈夫だろうと思いそのまま掘削作業を進めたとのことでした。
当日は高圧ケーブル等の材料の手配が整わず、翌日早朝より電気工事業者により、高圧ケーブルと配管を取り替え、復旧しました。

電気事故の原因

打ち合わせ指示の無視と、「もう少し、大丈夫だろう」の気持ちから

排水工事の掘削作業を行った運転者が、事前の打ち合わせどおり作業を行わず、高圧ケーブル埋設表示シートに気づきながらも「大丈夫だろう」とショベルカーで掘削作業を続けたことが原因でした。
高圧引込みケーブルは、お客さまの保護装置の保護範囲内であったため、構内停電だけに留まりましたが、一歩間違うと、付近一帯を停電させる波及事故になっていました。

電気事故の再発防止対策

打ち合わせどおりの作業、注意事項の徹底を

工事現場では、多くの業者が従事し、作業の内容も多岐にわたります。特に地中埋設の部分は目に見えないのと、掘削工事の省力化のため、ショベルカー等の機械掘りが多いため事故が絶えません。
対策として、工事を行う前に十分打ち合わせするとともに、高圧ケーブルの埋設位置だけでåなく、保護管の種類や埋設深さ等の詳しい内容の理解が必要で、手掘り作業の必要な部分は打ち合わせどおりに作業を行うことが大切です。

高圧ケーブル付近での作業は、専門家の立ち会いを

また、高圧ケーブルの事故は、時には付近一帯を停電させる波及事故につながります。状況により高圧ケーブルの付近で作業を行う場合は、電気の知識を有する者の立会いを求めるなど、事故の発生を防止する取り組みが必要です。

電気事故を防ぐための取り組みを

お問い合せ

閉じる