対象:高圧(6,600V)で受電の自家用電気設備
※低圧受電の場合は、照明機器編「低圧負荷機器」以降を参考にしてください
1. 力率は100%ですか?
力率と電気基本料金
-
関西電力との契約で、力率は85%を超える1%ごとに基本料金が1%割引きされ、最大力率100%で15%引きとなります。 逆に、力率が85%より下がると、基本料金は割増しになります。
力率と基本料金の割引率
力率(%) 100 98 96 94 92 90 88 86 85 84 割引率(%) -15 -13 -11 -9 -7 -5 -3 -1 ±0 +1 力率(%) 割引率(%) 100 -15 98 -13 96 -11 94 -9 92 -7 90 -5 88 -3 86 -1 85 ±0 84 +1 -
力率は、関西電力の「電気料金請求書」に書かれています。
関西電力Webサイト「電気ご使用量お知らせサービス」でも確認することができます。
電気料金請求書
コンデンサ
次のいずれかをお勧めします。
- 高圧設備に高圧コンデンサを設置(増設)する。
- 大型の低圧機器に低圧コンデンサを設置(増設)する。
自動力率調整器
リアクトル
- 昼間(重負荷時)に力率が100%となるようにコンデンサを設置すると、夜間(軽負荷時)に力率が100%超過になり、電圧が高くなりすぎて低圧機器が傷むおそれがあります。
できるだけ、大型の低圧機器を停止したとき(力率が上がりすぎたとき)に、コンデンサも電源から切り離される方式をお勧めします。 - 自動力率調整器を設置されているお客さまは、力率を100%より低い値でコンデンサを切り離すように、継電器を整定されていることがあります。そのため、力率を100%にできない場合があります。
- コンデンサを設置(増設)することによって、高調波が発生することがあります。高調波は他の機器に悪影響をおよぼすため、高調波を抑制するリアクトルの設置が必要となります。
工事費用の見積りには、必ずリアクトルの設置費用も加算することが必要です。
2.変圧器は効率的に使われていますか?
変圧器の負荷を考える
-
無負荷損(鉄損)と負荷損(銅損)とは。
変圧器は、負荷機器を使用していなくても通電しているだけで、電気ロスが生じています。これを無負荷損(鉄損)といいます。
また、負荷機器を使えば使うほど大きくなる電気ロスもあります。これを負荷損(銅損)といいます。 -
トップランナー変圧器は、2005年以前の変圧器に比べると無負荷損(鉄損)、負荷損(銅損)とも大幅に改善されています。
更に最新のものは、損失が50%程度、改善が図られています(2014年度から変圧器のトップランナー基準が変わりました)。
-
変圧器の効率が一番良い(出力に対しての損失の比率が少ない)のは、一般的に負荷率が50%前後で使用するときです。
-
変圧器は過負荷にならないよう注意が必要です。
変圧器設備使用が減少し、変圧器を減設した場合、変圧器の定格容量を超えて過負荷使用すると、変圧器の寿命に大きく影響します。
また電圧降下を引き起こし、低圧負荷設備が正常運転できなくなることがありますので、変圧器は過負荷にならないよう注意が必要です。
当協会とご契約のお客さまへ
変圧器使用状況は、当協会の技術員にお尋ねください
次のいずれかをお勧めします。
- 負荷率の低い変圧器は、負荷回路をまとめて、できるだけ台数を減らす。
- 変圧器の容量(kVA)は、低圧負荷機器の大きさと使い方で決まるものです。将来にわたり低圧負荷機器の増設や稼動をしっかり想定して、変圧器容量を調整する。
- 更新推奨年を経過している変圧器は、トップランナーの省エネ型の変圧器に交換する。
お問い合せ
-
お気軽にご相談ください
省エネ・節電のポイント(受変電設備編)