連絡責任者の感電負傷事故電気の事故例

電気事故の状況

新任の連絡責任者が設備の不良箇所を一人で点検

ある事業所で、異動により連絡責任者が交代しました。新しく連絡責任者になったAさんは、電気設備の状態を把握するため前任者より引継ぎを受けた設備の不良箇所を、書類と照らし合わせながら一人で順番に確認していました。

足をつまずき、高圧交流負荷開閉器と接触し感電


事故発生箇所の状況

屋上の受電用キュービクル内の不良箇所を確認しようとして、キュービクル高圧側の扉を開けました。内部の機器をよく見ようと体を近づけた時、つまずいて体がふらつき、左手が高圧交流負荷開閉器(LBS)の負荷側に接触し、感電してしまいました。高圧地絡継電器(HGR)が動作し、高圧交流負荷開閉器が開放したため事業場は停電となりました。一方、Aさんは痛みとショックで、その場に座り込みました。
停電したため事業場の従業員が事故に気づき、Aさんを救急車で病院に搬送しました。幸いにもAさんは指先の火傷だけの軽傷ですみました。
事業所の停電は、事故発生後に連絡を受けた当協会の技術員がかけつけて復旧しました。

電気事故の原因

高圧電気設備に関する知識不足が事故のもとに

新しく連絡責任者になったAさんは事務系の方で、電気に関する十分な知識を持ち合わせていなかったためです。前任者からの引継ぎ時に、「キュービクルは高圧電気設備で危険だ」と説明されていましたが、何が危険なのかよく理解できていませんでした。
そのためキュービクルの高圧側の扉を開け、高圧電気設備の充電部に接近し、誤って接触したため感電負傷しました。

電気事故の再発防止対策

責任者の交代時には、十分な引き継ぎを

新しく連絡責任者になった方は、電気設備の状態や安全な取り扱い方法について十分な知識や経験を、かならずしも持ち合わせているとは限りません。連絡責任者の交代時には、後任者に高圧電気設備の持つ危険性を説明するとともに、電気設備の保全に関しては、電気主任技術者や関西電気保安協会などの点検委託先(外部委託)に実施させることが重要です。

不良箇所の確認時は、当協会にご連絡を

電気主任技術者の資格と経験を持った当協会の技術員が「お客さま電気設備のホームドクター」として点検やアドバイスを行っています。電気設備の不良箇所などをご確認される場合は、当協会にご連絡いただくとともに、点検にお伺いした技術員と同行して、一緒に電気室やキュービクルの内部をご確認ください。

【お願い】電気室・キュービクルの施錠と鍵の保管について

お客さまの電気室・キュービクルには、高圧6600Vの電気がきています。内部に立ち入ったり、扉を開けると誤って感電し、最悪の場合は感電死亡する恐れがあります。扉はいつも確実に施錠しておくとともに、鍵は関係者以外が無段で使わないよう厳重に保管をお願いいたします。

電気事故を防ぐための取り組みを

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